葬儀について
- 後飾り (あとかざり)
- 葬儀終了後、祭壇を片ずけ納骨・埋葬する四十九日までの間、遺骨・位牌・遺影 線香・蝋燭などを安置しておく白布をかけた小机。
- 忌み日 (いみび)
- 死亡した日のこと
- 一膳飯 (いちぜんめし)
- 故人のために茶わん一杯分の米を炊き、できた御飯を一粒も残さず山盛りにしお供えする。まん中には愛用の箸または白木箸を垂直に立てる。
- 院号 (いんごう)
- 通常の戒名の上に付帯する呼称。一般的には寺院の発展に貢献した人や身分や格式の高い人物に与えられる称号。
- 引導(いんどう)
- 人々を教え導いて仏道に誘引すること。葬儀では導師が死者に対して極楽浄土の要訣を説く。 導師が朗読する引導文の中で戒が授けられ、故人に戒名がつくことになる。
- 回向(えこう)
- 通常はお経を読むことをいうが、本来は自分が積んだ善行や功徳を人の幸福のためにむけるという意味があり、葬儀や法事の際、導師がお経を読むのは自分のためではなく故人や仏にその功徳を受け取らせるためにある。しいては先祖代々やすべての霊にも報いをおよぼすことにある。
- エンバーミング
- 遺体衛生保全のこと。遺体の防腐・修復修理を目的として、全身を消毒し血管から体内に防腐剤を注入することにより、遺体の長期保存も可能となる。
- お布施(おふせ)
- 寺院や僧侶へ渡す御礼の金包みに用いる。「お経料」「読経料」「回向料」ともいう。
- お香料(おこうりょう)
- 仏式の葬儀・法要の際に供える金包み。結び切りの水引きでのしはつけない。
- お花料(おはなりょう)
- キリスト教の弔事に用いる金包み。
- お車代(おくるまだい)
- 僧侶への車代(交通費)として渡す。
- お膳料(おぜんりょう)
- 通夜・葬儀の際、僧侶が酒食を辞退される時に渡す金包み。
- お供物料(おくもつりょう)
- 霊前や仏前に供え物の代わりとする金包み。
- 御塔婆料(おとうばりょう)
- 法要などで塔婆供養する際に用いる金包み。
- 御ミサ料(おんミサりょう)
- お花料と同じだが、プロテスタントの場合のみに用いる。
- 御斎(おとき)
- 斎は梵語ウポサタ(清浄)の意味。僧侶の食事や法事などでの飲食をいう。
- 戒名(かいみょう)
- 授戒によってつけられる仏教徒としての名前。
- 火葬許可証(かそうきょかしょう)
- 医師からもらった死亡診断書を役所の戸籍係に提出すると発行される。これを火葬場にて証明印をもらうと埋葬許可証となる。
- カトリック
- 伝統的儀礼を重視し、死後も天国で永遠の生命(復活)と安息が得られるとされる。通夜・葬儀式をミサ式として行う。
- 神封じ(かみふうじ)
- 不幸のあった家の神棚の扉を閉めて半紙(白紙)を貼ること。「神は非礼を受けず」といい、死の汚れを忌みはばかるという言い伝え。
- 家族葬(かぞくそう)
- 遺族・親族などの近親者だけでいとなむ葬儀のこと。一般の会葬者は招きません。
- 忌明け(きあけ)
- 忌中が初七日までで、忌明けは四十九日とするのが一般的。ただし故人との血縁の親疎や気持ちの上で、いつを忌明けと考えるかは人によって差がある。
- 忌中(きちゅう)
- 亡くなった日から葬儀が終了するまでの期間。通常は初七日まで。
- 北枕(きたまくら)
- お釈迦様が亡くなられた(入滅)とき、頭を北に、顔を西にむけられていたお姿にあやかり、死者を寝かせる方向としている。
- 忌中札(きちゅうふだ)
- 訃報を知らせる為、不幸のあった家の玄関に貼る黒枠の紙.葬儀日程なども記載できる。
- 清め塩(きよめじお)
- 塩には霊力があるといわれ、穢れ(けがれ)を清(浄)めるために使用されている。但し浄土真宗の一部では「死を穢れ」としておらず不要としているところもある。
- 享年(きょうねん)
- 満年齢に一歳加える。いわゆる数え年。
- 行政解剖(ぎょうせいかいぼう)
- 「死体解剖保存法」に基き、監察医や警察嘱託医が検死をしても死因が明らかでない場合に行う解剖。
- 経帷子(きょうかたびら)
- 死者に着せる着物。袖無しの単衣で着物のうえから着せる白い仏衣
- 脚絆(きゃはん)
- 足のすねにはめる布あて
- 功徳(くどく)
- 仏教で善をもたらす行為のこと。神仏のめぐみや御利益。
- 鯨幕(くじらまく)
- 葬儀会場となる自宅や式場または受付テントや通路などに張る白黒の幕。
- 献杯(けんぱい)
- 法要後のお浄めで宴席に先立ち盃をかかげ唱和されている。本来は献供といい仏様に供物を奉献することを意味している。
- 心付け(こころずけ)
- 「寸志」のこと。葬儀に際しお手伝いをいただいた方々や火葬場・運転手・配膳人などに渡す些少の金包。公営・都営の火葬場の職員は辞退されます。
- 合同葬(ごうどうそう)
- 葬儀執行者が遺族側である喪主と故人が所属していた会社(団体)などと合同で葬儀を営むこと。費用面でもお互いに取り決め分担するのが一般的。
- 三途の川(さんずのかわ)
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- 散骨(さんこつ)
- 火葬後の骨を細かく砕いて(灰状)、海や山にまく
- 死装束(しにしょうぞく)
- 故人が極楽浄土へ旅するために着せた、僧依の白装束に似せた衣装。
- 死化粧(しにげしょう)
- 死出の旅路に出る最期の身だしなみで、女性は薄化粧、男性はヒゲを剃り目や口を閉じさせ顔を整える。病み疲れで頬がこけている場合はふくみ綿をさせる。
- 指名焼香(しめいしょうこう)
- 焼香の際、氏名・肩書きなどを読み上げ、指名を受けて焼香すること。
- 精進落し(しょうじんおとし)
- 葬儀・告別式または火葬後に行う宴席。僧侶やお世話役の方々へのねぎらいや故人を偲んでの懇談会ともいうべき催し。 「御斎」「忌中払い」ともいう。
- 司法解剖(しほうかいぼう)
- 「刑事訴訟法」に基き、犯罪の疑いがある場合に行う解剖。
- 四十九日(しじゅうくにち)
- 亡くなった日から49日目で、冥界での裁きを終えることより始めての忌明けとされる。ここで納骨・埋葬を行い、香典返しや挨拶状を出して、葬儀の際の謝意をあらわす。
- 初七日(しょなのか)
- 亡くなった日から7日目で、冥界にて生前の行いを初めて裁かれる日にあたる。本来初七日法要はこの7日目に行うが、最近では繰り上げて葬儀・告別式のあと行われることが多い。
- 樹木葬(じゅもくそう)
- 墓地として許可された雑木林に、直接掘った穴に遺骨を埋めその埋蔵地点に墓石のかわりに花木を植える埋葬法。
- 収骨(しゅうこつ)
- 「骨あげ」ともいう。火葬を終え、骨を拾い壺(容器)に収めること。
- 自然葬(しぜんそう)
- 一般でいう「散骨」の意味。海や山などに細かく砕いた骨をまき、自然に返す(葬る)こと。
- 祥月命日(しょうつきめいにち)
- 一年以後の亡くなった月日(命日)をいう。
- 施餓鬼供養(さがきくよう)
- 餓えたる鬼(死霊)を供養するという意味。49日(満中陰)がすぎても次生が決定せず迷っている霊や無縁仏が、百か日目になると観音菩薩の裁きをうけるといわれ、故人の追善供養とともに行われるしきたりがある。
- 施主(せしゅ)
- 寺院や僧侶に金品をさずける人または仏事や法事などで主役となる人。葬儀の場合対面的に喪主がいて、実際の執行者として施主がいることもある。
- 即返し(そくがえし)
- 通夜・葬儀の際に香典返しのかわりに、香典金額にかかわらず一律の商品をお返しすること。葬儀後に香典帳の整理や返礼品の選択にわずらわされることなく、コスト面でも合理化がはかれるが、その土地土地の慣習があるので対外的に検討が必要。
- 逮夜(たいや)
- 命日の前日をいい、故人の冥福を祈り一晩中語りあかすという意味。
- 荼毘(だび)
- 梵語で「焼く」「火葬する」の意味。
- 玉串(たまぐし)
- さかきの枝のさきに白布か紙をつけて神前にそなえるもの。
- 旅仕度(たびじたく)
- 故人が極楽浄土まで旅をするために、昔の旅人のように白装束の旅衣装を着せること。
- 檀家(だんか)
- 先祖の供養や墓地の維持管理のため、その特定の寺院(檀家寺)に寄与している信徒のこと。
- 中有(ちゅうう)
- 「中陰」ともいう。死んでから次の世に生まれ変わるまでの期間。中有の存在は一週間 ないし7週間で、この間に冥界の十王から裁かれ次生が決定するといわれる。
- 茶の子(ちゃのこ)
- 49日の忌明け法要の際、招いた方々へ香典返しの意味を含めて渡す(送る)品物。
- 追善供養(ついぜんくよう)
- 故人の積んだ善い行いや業を追慕し成仏を願って供養すること。
- 通夜振舞い(つやぶるまい)
- 通夜のあとに会葬者に飲食を饗すること。昔は死の穢れを飲食によって清めることから「お清め」とも称されている。故人と縁りある人々の最期の交流の場ではあるが、本来は死の穢れを世間から隔離し、近親者で夜を通して死者を見守り語りあかす集まりである。
- 塔婆(とうば)
- 梵語でストゥーパ、日本では卒塔婆とよばれる。墓の後ろに建てて供養する木塔で、上のギザギザは空風火水地の五大力・五輪を表している。
- 読経(どきょう)
- お経を読み上げること。
- 弔い上げ(とむらいあげ)
- 年忌法要での最終年忌をいい、一般的には33回忌をいう。
- 友引き(ともびき)
- 陰陽道で吉凶の占いに定められた中の日。「供に引く」という意味から「友を引っ張る」といわれ、現在でも殆どの火葬場が休日となり葬儀は行えない日。(通夜は可能)
- 涅槃(ねはん)
- すべての迷いや欲をはなれた究極の悟りの境地。
- 年忌法要(ねんきほうよう)
- 亡くなって一年目から命日に催す仏事で、周忌・回忌ともいう。一年目が一周忌・その翌年の二年目に三回忌とする。こうして以後3・7・3と巡ってくる年が七回忌・十三回忌・十七回忌三十三回忌・・・五十回忌まで営む。
- 納棺(のうかん)
- 故人を棺に納めること。遺族・親族で集まり儀式として行うことが望ましい。神道では「入舟の儀」という。
- 野辺の送り(のべのおくり)
- 荼毘(火葬)に臥すこと。
- 分骨(ぶんこつ)
- 火葬後の遺骨を分けて収骨すること。通常の骨壺より小さな容器をつかう。
- プロテスタント
- 死して天国(神)に召され神に仕えることを祝福としている。儀礼としては聖餐と洗礼とに簡略化されている。
- 不燃物(ふねんぶつ)
- 火葬場は火葬炉の機械故障や公害(ダイオキシン)発生防止のため、不完全燃焼となる物を棺の中へは納めないよう呼び掛けている。(ビニール製品・靴・CD・カセットテープ・ゴルフボール・釣り竿・ラケット・メロンなど大きな果物・金属ガラス製品など)
- 菩提寺(ぼだいじ)
- 「檀那寺」(だんなでら)ともいう。その寺院に帰依する檀家としての呼称。菩提とは梵語でボーデイの当て字で悟り・静寂な境地を意味する。菩提寺とは先祖代々の位牌や墓を置きその菩提を祈るためにある寺のこと。菩提寺の維持費は檀家に負担してもらい、檀家は先祖の墓地の管理や供養をしてもらうという関係にある。
- 本葬(ほんそう)
- 密葬の後に行う「本葬儀」のこと。一般にも通夜・葬儀告別式の後に対外的に行われる社葬・団体葬をいうことが多い。
- 枕飾り(まくらかざり)
- 故人の枕元に飾る簡易な祭壇。線香・蝋燭・香炉・リン・供え物などを置き、身近な人から供養をする。
- 枕経(まくらきょう)
- 故人の枕もとで読経(お経を読む)すること。故人の冥福を祈るため、通夜・葬儀をまたず先ずは自宅に僧侶を招いて供養する人は少なくなった。
- 枕団子(まくらだんご)
- 故人の祭壇に供える団子で上新粉をこねてゆであげつくった白い団子。地域によって異なるが49日まで1個ずつ、13仏への13個、初七日~49日まで7日ごとに1つで7個、六道輪廻で6個などの供え方がある。
- 末期の水(まつごのみず)
- 故人があの世の旅で喉の乾きをうるおす為にあたえる水のこと。臨終直後に近親者が新しい筆や箸の先の脱脂綿にしめらせた水で、故人の唇を軽くふき潤す。
- 守り刀(まもりがたな)
- 魔よけのために故人の布団の上にのせる刀。小刀・ハサミ・剃刀など刃物ならなんでもよい。
- 満中陰(まんちゅういん)
- 死んでから次生が決まるまでのさまよい(中有)が満期となる(7週間)七七日、四十九日のこと。
- 密葬(みっそう)
- 本葬に対する言葉で、改めて本葬を行うことを前提にして近親者で営む葬儀のこと。
- 無縁仏(むえんぼとけ)
- 身元不明や遺族が引き取りを拒否するなどの死亡者。身内による墓参りや供養が行われない為、善意ある寺院により合同墓地(永代供養墓)に引取られ供養される。
- 喪主(もしゅ)
- 葬儀をおこなう際の代表者。
- 喪中(もちゅう)
- 故人の近親者がその死を悲しみ、ある一定の期間を冥福を祈るために費やす歳月。昔は人が亡くなるとその近親者は死の「穢れ」をうつされたと考え、それを世間に広めぬよう穢れが浄化するまで謹慎生活を送っていたといわれている。
- 六文銭(ろくもんせん)
- 三途の川に渡る時の通行料。または、故人に持たせるおこずかい。